「ふたりの未来を見つめる場所」として、灯台をロマンスの聖地として再価値化する「恋する灯台プロジェクト」では、
写真家の作品情報発信サイト「SHOT JAPAN GALLERY」と連携して『恋する灯台』フォトコンテストを2016年に開催いたしました。
審査員
「恋する灯台フォトコンテスト」主催:株式会社SHOT JAPAN
「恋する灯台プロジェクト」主催:日本ロマンチスト協会・日本財団 海と日本PROJECT
さまざまな年代の方々に、それぞれの視点で『灯台の魅力』を写真で表現していただくコンテスト。
被写体は、日本全国の『灯台』。お住まいの地域に近い『灯台』、思い出の地にある『灯台』、いつか行ってみたかった『灯台』など、
さまざまなテーマの写真を「1,734作品」ご応募いただきました。
上記審査員による選考会の結果、以下の賞が決定いたしました。
冬の日の沢崎灯台
川口 昌紀
【講評】
青く、深く、澄んだ青空に躍動感のある雲が、構図の中心に佇む灯台を主役に引き立てる。冬の雪原、水平線、青空という、なかなか目にすることのない自然風景のなかで、逆光を上手く利用して灯台の造形美をしっかりと表現している。見る人それぞれに、様々なストーリーを想像させる奥深い作品である。
早津江川口西灯台
大坪 賢護
【講評】
グランプリ作品と同じく高い評価を受け、最後まで審査員の中で議論となった作品である。青い海を臨む灯台の作品が多いなか、薄紫一色で表現された凛とした姿の灯台は、見る人の目を離さない不思議な引力がある。
総合評価においてグランプリ獲得はならかったが、写真作品としての魅力度において、青山裕企氏、不動まゆう氏からグランプリ同等の高い評価を受けており、審査員特別賞を新設することとなった。
雲の上の灯台
関 浩勝
【講評】
チキウ岬灯台は応募が多かった灯台の一つであるが、本作品は、その中でも非日常感という点で群を抜く完成度。
雲海を臨む白亜の灯台は、まるで成層圏の上か、想像上の天界のように、壮大で幻想的である。
越前岬灯台
山下 智明
【講評】
昭和15年から68年間もの間、沖合を航行する船を導いてきた越前岬灯台が、平成21年に新灯台へ役目を引き継いだ。 本作品は、旧灯台と新灯台が並列している時期の、非常に貴重な写真である。歴史の記録としての価値だけではなく、『共に人生を歩む2人』のような構図の魅力が高い評価となった。
海峡を護る
宮田 敏幸
【講評】
海と空が溶け合った紺碧と、岬の緑に挟まれた白亜の灯台。とても灯台らしい風景であるが、この景色を見るためには椿林を縫う長い遊歩道を30分ほど歩かなくてはならない。長い道のりを歩き、ようやく目の前に現れた美しい景色が疲れを癒す。そんな感覚が見事に表現されている。
Lighthouse and Milky way
島津 元久
【講評】
決して肉眼では見ることの出来ない光を捉える事が、写真作品の醍醐味であるが、天体写真はその最たるものである。満天の星空に横たわる天の川。その中央で点を見上げて輝きを放つ爪木埼灯台は、ギリシャ神話の女神ヘラのように、天の川の創造主として存在している。
撮影技術も然ることながら、無限に広がる創造力が表現されている点が高評価となった。
伊勢湾灯標
須田 佑樹
【講評】
名古屋の海の玄関口である伊勢湾を見守る、六角形の大きな台座を持つ伊勢湾灯標。最果てのオーシャンビュー、が本賞のテーマであるが、モノクロームで表現された空と海の青と、伊勢湾灯標の圧倒的な存在感が同居する、全応募作品のなかで最も力強い作品である。
日本の瞳〈室戸岬灯台)
石島 薫
【講評】
レンズの大きさは日本最大級の2m60㎝、日本に5つしかない第1等灯台である室戸岬灯台。本作品は、第1等灯台の魅力である”フレネルレンズ”を主役に据えたポートレートである。日没を迎えて点灯を待つレンズが見つめる先には、これまでどんな物語があったのか。レンズの造形美と歴史が最大限に表現された作品である。
安房埼灯台
たなか 愛
【講評】
細長い岩礁の先に立ち、スマートなシルエットと波しぶきで有名な安房埼灯台。緻密に計算された構図と演出で、海、灯台の存在感を残しつつ、感情に訴えかけるセルフィーポートレートを作り上げている。見る人の気持ちしだいで、悲しくも、楽しくもある、幻想的で不思議な世界観が印象に残った作品である。